不動産の相続登記について②【司法書士國安宣博事務所】
2022/09/02
前回から、かなり時間があいてしまいましたが、相続手続きの流れについてご説明します。
相続が開始したら、まず初めにする事・・・相続人や相続財産の確認? もちろんこれらも
とても大切ですが、忘れてはいけないのが、遺言書の確認です。遺言書がある場合はこちらが最優先となるからです。
相続人の調査、相続財産の確定、遺産分割協議も終わり、長かった相続手続きが終わったと思ったら、仏壇に遺言書が・・・
さらには遺言書には封がされている。このような場合、残念ながら手続きは初めからやり直しとなる可能性があります。
では、ここで遺言書の各方法のメリット、デメリットを見てみましょう。
① 自筆証書遺言 メリット 1.費用がかからない
デメリット 1.法律に定められた方法でなければ無効になる可能性がある
2.見つけてもらえない可能性がある
② 公正証書遺言 メリット 1.原本が公証役場に保管される
2.家庭裁判所の検認手続きが不要
デメリット 1.作成に費用がかかる
③ 法務局の遺言書保管制度 メリット 1.費用は保管手数料ぐらい
2.申出をしていれば、遺言者が亡くなった場合、相続人に通知される
3.家庭裁判所の検認手続きが不要
デメリット 1.形式的審査のみで内容の確認はしてもらえない
一見、③が便利そうですが、法務局では内容までは確認してもらえません。遺言書はあるけど、内容が不明瞭であれば
手続きに使用できないばかりか、かえって争いの元になりかねません。
③は、①と②の中間的な方法なため、遺言書作成時には専門家に確認してもらう事をお勧めします。
本題に戻り、遺言書も存在しない事を確認し、次の作業(相続人調査)に取り掛かります。 ③へつづく